出窓に内窓(二重窓)は付けられる?効果・費用・補助金と注意点

出窓からの冷気や毎朝の結露を減らしたくても、内窓を付けられるのか、費用はいくらかかるのか迷う方もいるでしょう。

出窓にも内窓は設置できますが、取り付ける位置や窓枠の状態によって、必要な工事や使い勝手は変わります。

工事を決める前に、自宅の出窓に合う方法を見極めることが大切です。

この記事では、取り付け条件と効果・注意点、費用の参考例や補助金の条件を解説します。

寒さや結露の対策と、物を飾る楽しみを両立できるか、確認するポイントを押さえましょう。

目次

出窓に内窓を付ける前に確認したい条件

出窓に内窓を付ける前に確認したい条件

出窓は、室内側の開口部を内窓で仕切る方法などが考えられます。

奥行きがあっても枠の固定や外窓の操作に制約があるため、位置・寸法・下地を確認しましょう。

内窓を取り付ける位置と必要なスペースを確認する

最初に確認するのは、内窓を付ける場所と、内窓の枠を固定するためのスペースです。

例えば、出窓の手前に付けると、窓台に置いた物は内窓の向こう側になるため、取り出すたびに内窓を開ける必要があります。

外の窓に近い位置へ付けたい場合も、そこに枠を固定できるか、外窓の鍵やハンドルに当たらないかを確認しましょう。

また、出窓全体に奥行きがあっても、内窓を固定する部分のスペースが足りるとは限りません。

必要なのは、取り付ける位置の上・下・左右に、内窓の枠が収まる面があることです。

例えば、LIXILのインプラス引違い窓では、この面に必要な奥行きの基本寸法が70mm(7cm)です。

これは窓の横幅や高さではなく、室内側から外窓側へ向かう方向の寸法を指します。

YKK APのウチリモのように、条件付きで狭い枠にも対応する商品もあるため、必要な寸法は商品ごとに確認しましょう。

取り付け前に確認するポイント
  • 上・下・左右に、内窓の枠を取り付ける奥行きがあるか
  • 外窓の鍵やハンドルが内窓にぶつからないか
  • 内窓を開けたとき、外窓の鍵や網戸に手が届くか
  • カーテンやブラインドを開け閉めできるか

採寸だけで判断せず、施工店に取り付け後の窓の開け閉めや、物の出し入れまで確認してもらうとよいでしょう。

窓枠の材質や窓台の強度が取り付けに適しているか確認する

取り付ける場所が決まったら、次は内窓の重さを支えられるか、ねじでしっかり固定できるかを確認しましょう。

ガラスの入った内窓は重いため、窓台に載せるスペースがあるだけでは設置できません。

窓台だけでなく、周囲の枠にも、ねじを効かせるための丈夫な土台となる部分が必要です。

この部分を「下地」といい、表面が木目調でも、中の材質や傷み具合までは見た目でわからないことがあります。

LIXILのインプラス取付説明書でも、窓枠が製品の重さに耐えられるかを確認し、強度が足りなければ補強するよう示されています。

特に注意したいのは、結露や雨漏りによる傷み、窓台のたわみ、枠のぐらつきやゆがみです。

そのまま取り付けると、固定や開け閉めに支障が出るおそれがあるため、まず施工店に状態を調べてもらってください。

補強や補修が必要な場合は、直す場所・仕上がり・追加費用を確認し、その費用も含めて予算を考えましょう。

出窓に内窓を付けると期待できる効果

出窓に内窓を付けると期待できる効果

内窓で期待できる主な変化は、窓を通る熱や音を抑えることと、結露の軽減です。

効果は既存の窓や選ぶガラス、室内環境によって異なるため、いちばん改善したい悩みを施工店に伝えて仕様を選びましょう。

窓から伝わる暑さ・寒さを抑えられる

内窓を設置すると、既存の窓との間に空気の層ができ、室内外の熱が伝わりにくくなります。

冬は暖房の熱を逃がしにくく、夏は外の熱の影響を受けにくくなる点がメリットです。

LIXILの内窓の効果に関する説明でも、樹脂枠と窓間の空気層による断熱性の向上が示されています。

ただし、夏の強い日差しが気になる出窓では、断熱性に加えて日射を遮る性能も検討が必要です。

Low-E複層ガラスは特殊な金属膜を設けたガラスで、仕様によって日射の取り込み方が異なります。

冬の日だまりを残したいのか、西日の暑さを抑えたいのかを整理し、方角と暮らし方に合うタイプを選びましょう。

ガラスごとの特徴を比較したい方は、内窓のガラスの種類と目的別の選び方をご覧ください。

出窓1か所の改修で部屋全体が希望の室温になるとは限らないため、ほかの窓や壁からの冷えも併せて確認すると判断しやすくなります。

結露を減らせるが、完全になくなるとは限らない

内窓によって室内側の窓表面が冷えにくくなると、空気中の水蒸気が水滴になる結露を抑えやすくなります。

一方、湿度が高い部屋や室内外の温度差が大きい環境では、設置後も結露に注意が必要です。

また、外窓と内窓の間に湿った空気が入り、冷たい外窓側で結露することもあります。

内窓は結露を軽減する設備であり、湿度管理が不要になる設備ではありません。

加湿器の使いすぎを避け、調理や入浴で発生した湿気を換気で排出することも続けましょう。

出窓に鉢植えを置く場合も、水やり後の湿気やガラスの水滴に目を配ってください。

結露の仕組みや対策は、メーカーの取扱説明書でも確認できます。

外の騒音が室内に伝わりにくくなる

窓を二重にすると、窓間の空気層や気密性によって、屋外から伝わる音を抑える効果が期待できます。

ただし、防音効果を左右するのは、ガラスの組み合わせや音の周波数などの条件です。

壁や床を振動させて伝わる音、換気口など別の経路から入る音は、内窓だけでは十分に抑えられないこともあります。

防音を重視するなら、聞こえる音の種類、時間帯、位置を伝え、防音に配慮したガラスも比較しましょう。

メーカーの試験値は測定条件が決まっているため、その数値が自宅でもそのまま得られると考えないことが大切です。

防音を目的とした施工の参考として、車の音や生活音への対策で内窓を設置したマンションの施工事例では、採用した商品やガラス仕様を確認できます。

出窓に内窓を付ける前に知っておきたいデメリット

出窓に内窓を付ける前に知っておきたいデメリット

普段から物を飾る、換気する、窓台を拭くといった使い方を思い浮かべながら、工事後に困りそうな点を確認しておきましょう。

出窓に物を置いたり取り出したりしにくくなる

出窓の手前を内窓で仕切ると、窓台の物を取り出すたびに内窓を開ける必要があります。

特に、引違い窓は開口部のすべてを同時に開けられないため、大きな鉢や横幅のある置物を出し入れできるか確認が必要です。

設置予定の位置に目印を付け、内窓を開けたときの幅を施工店と確認しながら、普段の動作を試してみましょう。

出窓の使い勝手チェック
  • 鉢を持ち上げて取り出せるか
  • 水やりや受け皿の掃除ができるか
  • 外窓の鍵へ手を伸ばす場所を確保できるか

よく使う物は室内側へ移すなど、取り出す頻度に合わせて配置を見直しましょう。

出窓ならではの開放感が薄れることがある

部屋側に新しい枠やガラスが加わると、出窓の奥行きや外への広がりを感じにくくなる場合があります。

側面からの眺めを楽しんでいた出窓では、設置位置による見え方の変化も確認しておきたいところです。

枠の色を周囲の壁や木枠と合わせる方法や、見通しを優先して透明ガラスを選ぶ方法を比較してみましょう。

一方で、外からの視線が気になる場合は、見通しより目隠し性を優先する選び方もあります。

型板ガラスなどを選ぶ際は、明るさだけでなく、景色がどのように見えるかもサンプルで確かめてください。

奥行きを残すために取り付け位置を変えたい場合も、固定方法や外窓との干渉、補助条件を併せて検討する必要があります。

窓の開け閉めや掃除に手間がかかる

換気のたびに外窓と内窓を操作するため、窓が1つのときより開け閉めの手順が増えます。

また、ガラスやレールが増える分、掃除する場所も増えます。

結露を拭く回数が減る場合でも、定期的なガラス拭きやレールのほこり取りは必要です。

YKK APも内窓のデメリットとして、開閉と掃除の負担を挙げています。

現地調査では、奥や側面を掃除できるか、カーテンを付けたまま操作できるかを確認しましょう。

重い障子を外す必要がある手入れについては、自己判断で作業せず、製品の取扱説明書と施工店の案内に従ってください。

外側の窓と内窓の間に熱がこもることがある

日差しが当たる場所で二重の窓を長時間閉めると、窓の間が高温になる場合があります。

窓間に置く物やカーテンの位置によっては熱がたまりやすくなるため、施工前に日当たりを伝えておきましょう。

また、ガラスの中央と端で温度差が生じると、膨張の差によってひびが入る「熱割れ」が起こることがあります。

特に既存の窓が網入りガラスの場合や、内窓にLow-Eガラスを使う場合は、組み合わせの確認が必要です。

熱割れ対策は、LIXILのガラスに関する注意事項も参考になります。

ガラスへ物を密着させたり、自己判断でフィルムを貼ったりせず、熱がこもる場合の換気方法を施工店に確認してください。

換気時も、雨や強風を受ける状態で外窓を開けたままにしないなど、製品の使用条件を守りましょう。

出窓に内窓を付ける費用はいくら?

出窓に内窓を付ける費用はいくら?

費用は、内窓のサイズやガラス仕様に加え、枠の補強などの追加工事で変わります。

広告の本体価格だけで比較せず、商品代・取り付け費・諸経費・消費税を含む総額と、補助金を差し引く前の金額を確認しましょう。

窓の大きさ・ガラスの種類別に見る工事費込みの目安

下表は、メーカーの公開価格を参考にした、費用感をつかむための金額例です。

窓のサイズ区分 商品代・工事費込みの参考例
小窓 約50,000~200,000円
腰高窓など 約80,000~130,000円
掃き出し窓など 約150,000~220,000円

Low-E複層ガラス(ガス入り・アルミスペーサー)の引違い窓・2枚建ての例で、ふかし枠などは別途です。

あくまでも一般的な内窓工事の例であり、自宅の出窓に同じ金額で設置できるとは限りません。

ガラスによる違いを考える参考として、幅100cm×高さ80cmの内窓について、次のような金額例もあります。

ガラスの種類 設置工事費込みの参考例
単板ガラス 87,000円
一般複層ガラス 95,000円
Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り) 99,000円

これらは特定のサイズ・仕様を想定した例です。

出窓の補強費などを含む確定見積もりではないため、実際の金額は現地調査後に確認しましょう。

参考資料は、サイズ別の公開価格例とガラス仕様別の公開価格例です。

自宅の出窓に当てはめる際は、同じ寸法・窓の開き方・ガラス仕様を伝えて見積もりを比較しましょう。

窓枠の追加や補強が必要な場合の追加費用

既存の枠に必要な奥行きがない場合は、取り付け面を室内側へ延長する「ふかし枠」などが必要です。

追加費用は部材の寸法や窓の大きさで異なり、窓台の補強や傷んだ下地の交換が加わると、現地調査後の見積もりになります。

追加内容 追加費用の参考例(税込)
腰窓用の4方ふかし枠 部材・工事込みで約10,000~75,000円の例
カーテンレールの脱着 2,200円の例
窓台・下地の補強や補修 範囲と仕上げ方法に応じて個別見積もり

こちらも公開されている追加工事費を参考にした金額例であり、一律の料金を示すものではありません。

ふかし枠の設置と、劣化した窓台の補修は別の工事として、必要な項目が見積もりに含まれているか確認してください。

出窓の内窓リフォームに補助金は使える?

2026年は、条件を満たす内窓工事に「先進的窓リノベ2026事業」を利用できます。

出窓では製品の性能だけでなく、建物の造りと設置位置が対象判定に関わるため、通常の窓と同じ感覚で判断しないことが大切です。

出窓の造りや内窓の取り付け位置によって対象外になる場合がある

同事業の内窓は、既存外窓の開口面から屋内側へ50cm以内に、開口面と平行に設置することが条件です。

開口面とは、窓を設けるための開口に対し、周囲の壁面を延長してできる面を指します。

出窓では、いつも外側のガラス面を基準に測るわけではありません。

出窓の造り 部屋側の取り付け部を内窓で仕切る場合
サッシだけが張り出すタイプ 出窓の取り付け部分が開口面となり、公式資料の角形・三角・弓型などは対象例
建物の躯体が張り出し、正面だけに窓があるタイプ 既存外窓部分が開口面となり、平行・距離などの条件を満たせば対象例
躯体が張り出し、側面にも窓があるタイプ 公式資料では、角形・三角・弓型を部屋側でまとめて仕切る設置は対象外例

どの形状でも50cmの条件を超える設置は対象外で、表の対象例でも製品などの別要件を満たす必要があります。

施工できることと、補助金を受けられることは分けて確認しましょう。

判断に迷う場合は、事務局の出窓に関する図解資料と自宅の写真・図面を照合し、施工店から事務局へ確認してもらってください。

対象となる商品や申請方法を契約前に確認する

補助対象になるのは、事務局に登録された対象製品を使い、登録事業者との工事請負契約に基づいて行う工事です。

申請は施工を請け負う窓リノベ事業者が行い、施主が直接申請することはできません。

住宅では1申請の補助額合計が50,000円以上必要で、上限は1戸あたり1,000,000円です。

出窓1か所だけでは下限に届かない場合があるため、予定する工事全体で対象額を計算してもらいましょう。

補助金を使う前の確認事項
  • 商品名だけでなく、ガラス仕様とサイズも対象か
  • 出窓の形状と設置位置が補助条件に合うか
  • 補助予定額、申請手数料、還元方法はどうなるか
  • 工事前後の写真や性能証明書を誰が準備するか
  • 補助金を受けられなかった場合の負担はどうなるか

交付申請は遅くとも2026年12月31日までですが、予算上限に達すると早く終了します。

工事完了後の申請となるため、年末に契約すれば間に合うとは限りません。

契約前には公式の事業概要と申請手続きで、受付状況や必要な準備を再確認してください。

年内の工事を検討している方は、窓リフォームの工期と補助金申請に向けた準備も確認しておきましょう。

出窓の内窓はDIYで取り付けられる?

出窓の内窓はDIYで取り付けられる?

DIYできるかは、簡易的なパネルを設けたいのか、メーカー製の内窓で性能を高めたいのかによって異なります。

費用に加え、求める効果や取り付け精度、補助金も含めて方法を選びましょう。

自作する簡易内窓とリフォーム用の内窓の違い

樹脂パネルと専用レールなどを使った簡易内窓は、DIYで取り付けられる製品があります。

ただし、自作の仕切りと、ガラス・枠・気密部材を組み合わせたリフォーム用内窓を、同じ性能のものとして扱うことはできません。

比較する点 DIYの簡易内窓 リフォーム用内窓
主な構成 樹脂パネルや簡易フレーム 専用枠とガラス入り障子など
性能の確認 材料やすき間、作り方で変わる 製品仕様に応じて断熱・遮音性能を確認
設置方法 DIY向け製品の説明書に従う 採寸・下地確認・建付け調整を含め業者へ依頼
窓リノベ2026 DIY工事は対象外 登録製品・施工条件などを満たせば対象

例えば光モールの内窓用フレームのように、用途に応じた専用部材が用意されています。

選ぶ場合は、対応寸法やパネルの条件、取り付け方法を確認し、外窓の鍵や換気操作を妨げない構成にしてください。

専門業者への依頼が必要なケース

ガラス入りの本格的な内窓を設置する場合は、専門業者へ依頼しましょう。

LIXILもインプラスの商品案内で、一般の方による組み立て・取り付けを想定していないと明記しています。

特に窓台の補強が必要な出窓、枠にゆがみがある出窓、大きく重いガラスを扱う工事では、採寸だけでなく固定方法の判断も欠かせません。

また、補助金を使う場合は、商品を自分で購入して取り付けだけ依頼する「施主支給」も避ける必要があります。

窓リノベ2026の公式FAQでも、DIYと施主支給による工事は対象外です。

施工店には出窓全体・枠・窓台の写真と、寒さや結露などの悩みを伝え、現地調査で設置位置から相談すると進めやすくなります。

マンションでは管理規約や工事申請の要否を、賃貸住宅では貸主の承諾と退去時の扱いを、工事前に確認してください。

まとめ

まとめ

出窓の内窓リフォームは、寒さや結露、外の音を和らげ、窓辺の環境を見直すための選択肢です。

ただし、設置には枠の奥行きや強度の確認が欠かせず、工事後は物の出し入れや掃除のしやすさも変わります。

大切なのは、断熱性能だけでなく、今の出窓の使い方に合うかを確かめることです。

費用は補強などを含む総額で比較し、補助金の対象になるかも契約前に確認しましょう。

まずは、改善したい悩みを施工店に伝えてください。

現地調査で一つずつ条件を確かめることが、納得できる内窓選びにつながります。

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この記事を書いた人

住まいの快適性を高める窓リフォーム・断熱リフォームを中心に、日々お客様の暮らしをより良くする提案を行っています。
現場での施工経験と住まいの温熱環境に関する知識をもとに、皆さまに役立つリフォーム情報をわかりやすく発信しています。

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