内窓(二重窓)は防犯に効果がある?選び方と注意点を解説

内窓を付けると窓が二重になりますが、「防犯対策としてどこまで役立つの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

内窓には、侵入に必要な手間を増やし、侵入をためらわせる効果が期待できます。

ただし、二重窓にするだけで侵入を完全に防げるわけではありません。ガラスや鍵の仕様、普段の施錠方法によって防犯性は変わります。

断熱や防音も兼ねて内窓を検討している場合は、快適性だけでなく、防犯面の仕様まで確認して選ぶことが大切です。

この記事では、内窓に防犯効果が期待できる理由や注意点、防犯性を高めるガラス・鍵の選び方、ほかの防犯対策との違いまで解説します。

この記事のポイント
  • 内窓は侵入に必要な手間を増やせる
  • 普通のガラスを二重にするだけでは十分とは限らない
  • 防犯合わせガラスや鍵の仕様も確認する
  • CPマークは対象となる部品・仕様まで確認する
  • 防犯フィルムや面格子、シャッターとの使い分けも重要
目次

内窓に防犯効果が期待できる理由

内窓に防犯効果が期待できる理由

内窓による防犯対策のポイントは、侵入に必要な作業を増やすことと、外から防犯対策をしていることが分かることです。

窓と鍵が二重になり、侵入に時間がかかる

鍵付きの内窓を設置し、外窓と内窓の両方を施錠すると、室内へ侵入するための手間が増えます。

外窓を開けたりガラスを破ったりしても、その内側にもう一つ閉じた窓があるためです。

内窓とは、現在の窓の室内側へ新しい窓枠とガラスを取り付けるものです。外窓と内窓を合わせた状態を、一般的に二重窓と呼びます。

一方、複層ガラスは、複数枚のガラスの間に空気やガスの層を設けたガラスです。窓や鍵そのものが二重になるわけではありません。

防犯では、ガラスの枚数だけでなく「施錠された窓が二重になること」がポイントです。

内窓は侵入の手間を増やす

YKK APも、内窓リフォームの防犯面のメリットとして、侵入に時間をかけさせる効果を紹介しています。

ただし、内窓を追加すると侵入時間が必ず何分延びる、と一律に示せるわけではありません。

また、商品によってはクレセント錠がない内窓もあります。防犯目的で設置する場合は、施錠できる構造になっているかを確認しましょう。

外から見て侵入しにくい印象を与える

窓が二重になっていることが外から確認できれば、「侵入に手間がかかりそう」と感じさせる効果も期待できます。

LIXILのインプラスの効果を紹介するページでも、二重の窓による心理的な抑止効果が紹介されています。

ただし、カーテンやガラスの種類、窓の位置などによって内窓の見え方は変わります。

「内窓が見えるから安心」と考えるのではなく、実際のガラスや鍵の防犯性能と組み合わせることが重要です。

内窓で防犯対策をするときの注意点

内窓で防犯対策をするときの注意点

注意したいポイント
  • 普通のガラスなら二重でも破られる可能性がある
  • Low-E複層ガラス=防犯ガラスではない
  • 網入りガラスも防犯目的のガラスではない
  • 外窓と内窓の両方を施錠する
  • 鍵が無理なく使えるかも確認する

普通のガラスでは二重窓でも破られることがある

外窓と内窓の両方が一般的なガラスなら、窓が二重になっていても破壊される可能性があります。

窓が増えることで侵入の手間は増えますが、それぞれのガラス自体に高い防犯性能が備わるわけではありません。

ガラス 主な目的 防犯面の注意点
一般的な単板ガラス 一般用途 防犯性能を目的としたものではない
複層ガラス 断熱 複層であるだけでは防犯性能を判断できない
Low-E複層ガラス 断熱・遮熱 Low-Eという名称だけでは防犯性能を判断できない
網入りガラス 防火 網が入っていても防犯用とは限らない
防犯合わせガラス 侵入対策 中間膜の仕様や防犯性能を確認する

とくにLow-Eガラスは、特殊な金属膜によって断熱・遮熱性能を高めるものです。名称だけで防犯性能が高いと判断しないようにしましょう。

また、網入りガラスは防火を目的としたガラスです。

防犯目的なら「ガラスが何枚あるか」ではなく、侵入に対する性能が確認された仕様かどうかを確認してください。

二重窓・複層ガラス・防犯合わせガラスの違い

内窓と外窓の両方に鍵をかける

内窓で防犯性を高めるには、外窓と内窓の両方を閉め、それぞれ施錠することが基本です。

内窓だけを施錠して外窓を開けたままにすると、施錠した窓を二重にするメリットを十分に活かせません。

外出・就寝前のチェック
  • 外窓が最後まで閉まっているか
  • 外窓の鍵が正しくかかっているか
  • 内窓を閉めて施錠したか
  • 補助錠を使用している場合は施錠したか
  • 換気のために開けた窓が残っていないか

窓を少し開けた状態と、窓を閉めて施錠した状態では、防犯性が大きく異なります。

毎日使う窓ほど、無理なく開閉・施錠できる内窓を選ぶことも重要です。

防犯性を高める内窓の選び方

防犯性を高める内窓の選び方

内窓の防犯性は、ガラスだけで決まりません。

「ガラス」「鍵」「CPマーク」の3点をセットで確認しましょう。

防犯性を高める内窓の3つの確認ポイント

割れても穴が開きにくい防犯合わせガラスを選ぶ

防犯性を重視する場合は、ガラスが割れても貫通しにくい防犯合わせガラスを選択できるか確認しましょう。

防犯合わせガラスは、ガラスの間に破れにくい中間膜などを挟み、破壊された場合でも侵入できる開口部を作りにくくしています。

つまり「割れないガラス」というよりも、割れたあとも侵入に抵抗するガラスと考えると分かりやすいでしょう。

ただし、合わせガラスならすべて同じ防犯性能を持っているわけではありません。

板硝子協会の防犯ガラスに関する案内などを参考に、商品名やガラス構成、防犯性能の根拠まで施工店へ確認しましょう。

断熱も重視する場合は、防犯合わせガラスを組み込んだ複層ガラスを選べる場合もあります。

詳しく比較したい方は、内窓のガラスの種類と目的別の選び方も参考にしてください。

戸先錠や補助錠が使えるか確認する

防犯目的では、ガラスだけでなく鍵の位置や数も確認しましょう。

鍵の種類 特徴
クレセント 引違い窓の中央付近で窓を締め合わせる金具
戸先錠 窓を閉じる側の端に設ける錠
補助錠 主となる錠に加えて窓の開閉を制限する

複数箇所で施錠できれば、一つの錠だけに頼る状態を避けられます。

ただし、鍵の数が多ければ必ず高い防犯性能になるわけではありません。

製品を選ぶ際は、標準で付いている錠・追加できる錠・毎日の操作方法を確認してください。

防犯性能の目安となる「CPマーク」を確認する

CPマークは、防犯性能の高い建物部品を選ぶ際の目安となる共通標章です。

警察庁の防犯性能の基準では、侵入行為に5分以上抵抗することなどが示されています。

ただし、実際の住宅であらゆる侵入方法に必ず5分以上耐えられることを保証するものではありません。

CPマークで確認したいこと
  • ガラスだけが対象なのか
  • サッシを含む窓全体が対象なのか
  • どのガラス・鍵との組み合わせが必要なのか
  • メーカーが指定する施工条件を満たしているか

CPマークのあるガラスを使っているだけで、その内窓全体が防犯建物部品になるとは限りません。

たとえば、LIXILはインプラスについて、防犯建物部品には対応していない旨を案内しています。

【比較表】内窓と防犯フィルム・面格子・シャッターの違い

【比較表】内窓と防犯フィルム・面格子・シャッターの違い

窓の防犯対策には、内窓以外にも防犯フィルム、面格子、シャッターなどがあります。

どの対策が適しているかは、窓の場所や使い方、断熱・防音などほかの目的によって異なります。

対策 防犯上の役割 向いているケース 注意点
内窓 施錠した窓を重ねて侵入の手間を増やす 断熱・防音も改善したい ガラス・鍵の仕様を確認する
防犯フィルム ガラスの貫通を抑える 既存ガラスを活用したい 防犯用製品と施工条件を確認する
面格子 窓の外側から侵入を妨げる 小窓などを補強したい 強度・固定方法・避難経路に注意
シャッター 窓の外側を覆う 掃き出し窓などを外側から守りたい 採光・通風・開閉の手間を確認する

内窓は、防犯だけでなく室内の寒さ・暑さや騒音も気になっている場合に検討しやすい方法です。

実際の施工内容を確認したい方は、マンションにLIXIL インプラスを設置した内窓施工事例も参考にしてください。

一方、防犯フィルムは既存のガラスを活用できますが、飛散防止用や目隠し用のフィルムとは異なります。

3Mの防犯フィルムの施工条件でも、CPマークには全面貼りなどの条件が示されています。

面格子やシャッターについても、見た目だけで判断せず、固定方法や防犯仕様まで確認しましょう。

内窓を付ける前に確認したいこと

内窓を付ける前に確認したいこと

設置前のチェックポイント
  • どの窓を優先して防犯対策するか
  • 内窓を取り付けるスペースがあるか
  • 窓や鍵を無理なく操作できるか
  • 掃除の負担が大きくならないか
  • 見積もりの条件がそろっているか

どの窓から防犯対策を始めるか決める

防犯対策では、外から近づきやすく、周囲から見えにくい窓を優先して検討しましょう。

庭に面した掃き出し窓だけでなく、建物の裏側や、塀・植栽で周囲から見えにくくなっている窓にも注意が必要です。

大阪府警の住宅の防犯チェックでも、周囲から見えない場所や2階への足場などを確認するよう呼びかけています。

今ある窓に内窓を取り付けられるか確認する

内窓を設置できるかどうかは、窓のサイズだけでなく、室内側の奥行きや既存窓の状態によって変わります。

LIXILの内窓の取り付けに関する案内でも、窓枠の寸法や既存窓との干渉確認が案内されています。

奥行きが不足する場合は、「ふかし枠」などを使って取り付け部分を室内側へ広げられる場合があります。

ただし、カーテンレールや家具との位置関係が変わる可能性もあるため、現地で確認してもらいましょう。

マンションでは管理規約や工事申請の要否も確認が必要です。

詳しくは、マンションの窓リフォームと管理規約の注意点も参考にしてください。

窓の開け閉めや掃除の手間を確認する

内窓を取り付けると、外窓と内窓の2枚を開閉する必要があります。

洗濯物を干すために何度も通る掃き出し窓などでは、毎日の操作が負担にならないか確認しておきましょう。

また、ガラスやレールが増えるため、掃除する場所も増えます。

使い勝手で確認したいポイント
  • 窓をスムーズに開閉できるか
  • 鍵へ手が届きやすいか
  • 足元の枠が移動の邪魔にならないか
  • ガラスやレールを掃除しやすいか
  • 外窓側まで手が届くか

詳しくは、内窓リフォームのメリット・デメリットも確認してみてください。

ガラスや鍵の条件をそろえて見積もりを比べる

内窓の見積もりは、合計金額だけでなく、ガラス・鍵・追加工事の条件をそろえて比較することが大切です。

見積書で確認したい項目
  • メーカー・商品名・窓のサイズ
  • ガラスの名称と構成
  • 防犯性能を確認できる資料
  • 標準の錠と追加する錠
  • CPマークの対象範囲
  • ふかし枠や下地補強の有無
  • 商品代・施工費・諸経費
  • 保証内容とアフターサポート

同じサイズの内窓でも、一般的な複層ガラスと防犯合わせガラスでは内容や価格が異なります。

詳しい費用の考え方は、内窓リフォームの費用相場と見積書の確認点も参考にしてください。

また、施工店には「断熱も改善したい」「防犯性を優先したい」など、目的を具体的に伝えましょう。

まとめ

まとめ

内窓を設置すると、外窓と内窓の二つを突破する必要があるため、侵入に必要な手間を増やす効果が期待できます。

一方で、普通のガラスを二重にするだけでは十分な防犯対策になるとは限りません。

防犯性を重視する場合は、防犯合わせガラスや鍵の仕様、CPマークの対象範囲まで確認しましょう。

内窓の防犯対策まとめ
  • 外窓と内窓の両方を施錠する
  • 防犯合わせガラスを検討する
  • Low-Eや網入りという名称だけで防犯性能を判断しない
  • 戸先錠や補助錠など鍵の仕様を確認する
  • CPマークがどの部品を対象としているか確認する
  • 必要に応じて防犯フィルムやシャッターなども組み合わせる

まずは現在の窓の状態や使用方法を確認し、防犯性と使い勝手の両方を考えながら施工店へ相談してください。

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この記事を書いた人

住まいの快適性を高める窓リフォーム・断熱リフォームを中心に、日々お客様の暮らしをより良くする提案を行っています。
現場での施工経験と住まいの温熱環境に関する知識をもとに、皆さまに役立つリフォーム情報をわかりやすく発信しています。

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